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2019年11月

      『福音の史的展開』第3版の刊行

『福音の史的展開』上下2巻は、著者長年の新約聖書研究のまとめとして、それまでの「市川喜一著作集」の新約聖書各巻の講解を統合した著作です。福音とは何かという問いと取り組んで、実際の伝道活動の中で新約聖書各巻の講解を書き続け、福音証言の個人誌「天旅」誌上に発表し、一書がまとまるごとに第1版の単行本として刊行してまいりました。そして、新約聖書各巻の講解が揃った2012年に、そのまとめの『福音の史的展開』TとUの第1版を刊行しました。それらはペーパーバックの簡易表装による出版でしたが、信仰者個人の長期の使用だけでなく、大学図書館などでの保存も考慮して、誤りを修正した第2版のハードカバー上製本の制作に踏み切り、誌友諸兄姉の資金上のご協力を得て、2015年に『市川喜一著作集』22巻のハードカバー保存版を刊行することができました。

その後、世界の諸宗教の中でキリストの福音が占める位置と意義を考究する『福音と宗教』上下2巻を出版、著作集に加えて2018年に『市川喜一著作集』保存版を24巻の著作集として出版するに至りました。この『市川喜一著作集』保存版は、24巻を1セットとして制作配布し、また大学などの図書館に寄贈して、各巻を分売することはできませんでした。しかし最後の著作『福音と宗教』の上下2巻は、それだけの分売希望を予測して、20組ばかりを余分に制作してありました。ところが24巻の『市川喜一著作集』の中の『福音の史的展開』(とくに下巻のU)の自著への参照頁数に間違いが多く残りました。(ホームページの「出版案内」の中の「保存版正誤表」をご覧ください)。それでこの度、その間違いを修正した第3版をハードカバー上製本の形で20組を刊行し、分売希望に応えることにいたしました。

このような経緯で、『市川喜一著作集』の中で最後期の『福音の史的展開』と『福音と宗教』の二著作は、分売を希望される方のご希望に応じることができるようになりました。分売ご希望の方は、「出版案内」の中の「保存版の分売」のページをご覧下さって、天旅出版社にお申し込みください。なお、余分に制作したこの二著作以外の著作は、現在のところ分売することができませんので、ご了承ください。

                                  市川喜一



2019年7月

      市川喜一著作集デジタル版の刊行

著者は2018年に『市川喜一著作集』全24巻の保存版を刊行して、一応著作活動を完了しましたが、時代のデジタル化の趨勢を考慮して、この著作集のデジタル版を刊行する必要を感じておりました。幸いこの著作集の各巻は、コンピュータデータとして作成さた原版を印刷して製本されたものですから、そのコンピュータデータをCDに記録して、配布することができます。この度、そのCDが用意できましたので、天旅出版社から『市川喜一著作集』デジタル版として刊行することになりました。

このCDには『市川喜一著作集』各巻の印刷原版となりました各著作のPDFファイルが収録されています。このPDF形式のファイルは、コンピュータ画面やタブレット上に、印刷された紙面と同じ形で表示され、書物を読むのと同じ感覚で読むことができます。画面が大きければ、書物の文字よりも大きな文字で表示されますので、かなり読みやすくなります。なによりもコンピュータの検索機能を利用すれば、書籍版の「索引」ではできない高度な検索ができます。たとえば、調べたい用語を入力すれば、その用語が出てくる書名とページ数だけでなく、その用語が出てくる頁全体が表示されます。その利用法はこのCDの「解説」で説明しています。

この『市川喜一著作集』のデジタル版CDは、書籍版と比べますと印刷製本費が節約できますので、廉価にお届けすることができます(価格など配布の要項は、ホームページの「出版案内」の中の「デジタル版の刊行」のページをご覧ください)。なお、献金や代金で書籍版で著作集保存版24巻をすでにお持ちの方には、このCDは検索用の附録として送らせていただきますので、代金は要りません。書籍版の各巻には「索引」をつけることができませんでしたので、このCDを索引としてご活用ください。今後は書籍版の『市川喜一著作集』は、このCDを附録として添えて配布していく予定です。

なお、このデジタル版をアイパッドなどのタブレットにコピーして表示しますと、そのタブレット一台を持っていけば、どこでも24巻のどれをも書籍と同じ形で表示して読むことができますので、随分便利になります。これからコンピュータやタブレットを使用される方々が、このデジタル版著作集を活用してくださることを願って、刊行する次第です。

                                 市川喜一



2019年4月14日

      ブログ開設のご案内

今年も巡り来る春の季節に、わたしたちは主のご復活を祝う復活節を賛美と感謝のうちに迎えております。 この季節に、これまで構想を温めてきました「市川喜一の聖書ブログ」の開設をご報告できることを、心より感謝しております。

「天旅ホームページ」は、筆者が生涯をかけて完成した著作集の全文をネット上に公開するものですから、かなり大部のものとなり、これから聖書を読もうとする方に紹介するにはためらいを感じる面もありました。この度開設する「聖書ブログ」は、「聖書からの呼びかけ」と題する比較的短い文を、日記風に載せていく形で、これから聖書を読まれる方に接しやすい形で提供しています。

これらの短文は、おもにすでに出版した「聖書百話」や「続聖書百話」その他の著作からの引用ですが、別に折に触れての所感を載せたグループもあります。聖書の一句を引用して、その言葉がわたしたちに呼びかける呼び声をまとめた短文は、ブログでは「カテゴリー1」として「聖書の呼び声を聞く日々」という名称のもとにまとめています。折に触れての所感は「カテゴリー2」の「折に触れて2019年」などの名でまとめられています。

このブログの各文の最後には、クリックして「天旅ホームページ」に移るリンクがつけられています。そして「天旅ホームページ」のトップページの左下の「市川喜一のブログ」のボタンをクリックすれば、「市川喜一の聖書ブログ」が開くようになっています。このようにホームページとブログが往復できますので、読みやすいブログが本格的な新約聖書理解のための天旅ホームページへの道案内となるようにしてあります。この両方が日本のネット利用者にキリストの福音に接する機会として用いられるように祈って、このブログの開設をご報告いたします。

                                 市川喜一



2019年1月15

       新しい年を迎えて
 
新しい年を迎えてはや半月が経ちました。読者諸兄姉もそれぞれの場で、主キリストにあって神の恵みのうちに新年を迎えておられることと、共に主イエス・キリストの父なる神に賛美と感謝を捧げます。

今年は4月に天皇退位、5月の新天皇即位から元号が変わります。この頃は新聞やテレビなどに、「平成最後の」という言葉がよく見られます。日付を元号を用いて表すのは、今では日本だけという世界の状況ですが、元号は古代から用いられて、日本の歴史に深く刻み込まれ、この国の文化に深く根を下ろしているようです。昔は元号の決定は天皇が支配者であることの標識でしたが、今は主権は国民にあるのですから、天皇は時代を支配する者ではなく、時代を象徴するすることになります。現天皇は象徴としての立場に徹してこられました。大戦と戦後の混乱という昭和の時代に比べますと、戦争のない平和な三十年を喜び、国民は平成という元号に馴染んでいたようです。

わたしは1930年(昭和5年)に生まれたので、日本が戦争に向かう急坂の中で育ち、青春の時期に敗戦のどん底と戦後の混乱を体験しました。そして昭和と平成の二つの時代を歩むことになりました。元号はもはや権力の所在や統治の善悪を示すものではありませんが、時代の空気を表現するものとして、わたしも昭和と平成の二つの時代を生きて、この平成の時代を見送ることに感慨を覚えます。新しい元号を迎えるこの一年が、再び戦争を予感したり心配するような空気や色彩の時代の最初の年にならないように、また正義と愛の配慮が行き渡る時代になるように、気を引き締めて社会の諸問題に対処し、祈らなければならないと思います。

その中でわたしたちキリストにある者の使命は、この国に福音を証言することです。幸いわたしも神の恵みによって健康を賜っていますので、この年も月一回の集会は続けて、お集まりくださる兄姉と共に福音の証しを進めていきたいと願っています。昨年完結した保存版の著作集を各地の大学図書館などに寄贈して、次の世代にキリストの福音を証言する働きも、すでに京都大学や同志社大学などを始め徐々に進められていますが、今年はさらに広く全国に広めていくことができるように祈っております。

福音の証言のための働きにご協力くださっている誌友(このホームページの読者)各位の上に、この新しい年に主の恵みがますます豊かにあるように祈ります。

                                 市 川 喜 一



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