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第6巻 マタイによる御国の福音―「山上の説教」講解

          A5版371頁   2003年8月1日発行   3200円
          発売 ブッキング社   ISBN 4-8354-7171-7



  マタイ福音書は新約聖書の最初に置かれ、キリスト教正典の第一の書として尊重されてきました。それで、キリスト教といえばマタイ福音書を思い起こすというほど、キリスト教の性格を決定してきました。そのマタイ福音書の中でも、五章から七章にかけて集められているイエスの語録や教えの収集は、古来「山上の垂訓」と呼ばれて、イエス・キリストの教えの中心とされ、重視されてきました。最近は「山上の説教」と呼ばれていますが、その理解については古代から現代にいたるまで多くの議論が積み上げられてきました。
 本書は、この「山上の説教」をキリストの福音全体の中に正しく位置づけ、イエスが本来告知されようとした内容を聴き取るためになされた試みの一つです。そのために、最初に序論としてマタイ福音書の成立の事情をやや詳しく論じています。この序章「イエスの語録と福音」は、最近の「語録資料Q」研究の成果に基づき、マタイ福音書の成立事情とその性格を考察しています。この序章は「山上の説教」を理解する上で重要ですので、ぜひこの序章をよく読んだ上で、本論に進んでいただきたいと願っています。
 本論では、「山上の説教」全体を八章に分けて講解しています。その中で、第五章「主の祈り」は、すでに刊行した福音講話集『神の信に生きる』の中で発表している「主の祈り」を要約して再録したものです。一度発表したものを再録することにはためらいがありますが、「主の祈り」という重要な内容を別著参照という形で省略するわけにもいきませんので、要約した形で再録することにしました。
 本書は、「山上の説教」をイエスが告知された「恩恵の支配」という視点から理解しようとしています。その理解は著者の信仰体験から発する信仰告白的な提示ですが、霊的体験から出る理解を告白的に提示するだけでなく、マタイの編集の過程を厳密に跡づけるという学問的方法も視野に入れて、その理解が正当であるかどうかを検証しているつもりです。その議論はときに面倒で煩瑣に見えますが、この基本的な理解を確認する上で必要ですので、忍耐をもってお読みいただくようお願いします。このような理解の結論は、終章「山上の説教理解の視点」にまとめてあります。(本書「まえがき」より)



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