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あとがき 


 本書「復活者キリストーコリント書におけるパウロの福音」では、使徒パウロのコリント書簡を用いて、序章で復活者キリストを語る意義について述べた後、第一章から第四章までの各章で、復活者キリストの姿とその働きの主要な面を語ってきました。現代のキリスト教が形骸化している状況の中で、何とか最初期のキリスト信仰を回復して、現代の危機的状況を克服する道を探りたいと願って、わたしは新約聖書に向かってきました。その探求の一つの結果として、使徒パウロのコリント書簡の証言を取り上げて、復活者キリストの姿と働きをまとめてみました。

 わたしは昨年二〇二〇年に刊行した「宗教の外のキリスト」の「まえがき」で、「著者は今年九十歳になります。・・・・著作の刊行もこれが最後になるのではないかと思います」と書きました。ところが昨年から今年にかけて新型コロナ感染症の拡大が止まらず、緊急事態宣言が繰り返し発令されて、集会を開くのも困難になりました。その中でオンラインの福音講話を続けるなどしてきましたが、その間、新約聖書の福音証言に圧倒されて読み続けた結果、このような小著を書くに至りました。読者がこの小著から、復活者キリストの中に生きる信仰を新たにされて、信仰生活により一層の充実を体験されますように祈ってお届けします。

      二〇二一年六月
                            市 川 喜 一



    「市川喜一著作集」第一期

1「聖書百話」(2002)
2「キリスト信仰の諸相」(2002)
3「マルコ福音書講解T」(2002)
4「マルコ福音書講解U」(2002)
5「神の信に生きる」 (2003)
6「マタイによる御国の福音―山上の説教講解」(2003)
7「マタイによるメシア・イエスの物語」(2003)
8「教会の外のキリスト」(2004)
9「パウロによるキリストの福音T」(2004)
10「パウロによるキリストの福音U」(2004)
11「パウロによるキリストの福音V」(2005)
12「パウロによる福音書―ローマ書講解 T」(2005)
13「パウロによる福音書―ローマ書講解 U」(2005)

    「市川喜一著作集」 第二期

14 「パウロ以後のキリストの福音」(2007)
15 「対話編・永遠の命―ヨハネ福音書講解T」(2006)
16 「対話編・永遠の命―ヨハネ福音書講解U」(2008)
17 「ルカ福音書講解T」(2009)
18 「ルカ福音書講解U」(2011)
19 「ルカ福音書講解V」(2013)
20 「福音の史的展開T」(2010)
21 「福音の史的展開U」(2012)
22 「続・聖書百話」(2014)

    「市川喜一著作集」 第三期

23 「福音と宗教T」 (2016)
24 「福音と宗教U」 (2017)
25 「パウロによる福音書ーローマ書を読む」(2016)
26 「CHRIST OUTSIDE CHRISTIANITY」(英文 2020)
27 「宗教の外のキリスト」(2020)
28 「復活者キリストーコリント書におけるパウロの福音」(2021)