135 暴行を受ける(22章63〜65節)
さて、見張りをしていた者たちは、イエスを侮辱したり殴ったりした。(二二・六三)
アンナスによる予審の尋問が終わり、警備の兵士に囲まれて中庭を通って行かれるとき、イエスは「振り向いてペトロを見つめ」られます。その眼差しを受けて、三度までイエスを否認したペトロが外に出て激しく泣いているとき、イエスはアンナスの屋敷の一隅に連れて行かれ、警備の兵士から暴行を受けることなります。「見張りをしていた者たち」と訳されている語は、囚人イエスを監禁し監視する役目の神殿警護隊の兵士(警官)を指しています。そして目隠しをして、「お前を殴ったのはだれか。言い当ててみろ」と尋ねた。そのほか、さまざまなことを言ってイエスをののしった。(二二・六四〜六五)
目隠しをして、「お前を殴ったのはだれか。言い当ててみろ」と尋ねたことを伝えるのは、共観福音書はみな共通しています。ただマタイ(二六・六八)は、「メシアよ、言い当ててみろ」として、自分をメシアとした罪で判決を受けたイエスに対する侮蔑の行為としています。