あとがき
本書は、著者の個人福音誌「天旅」に発表した「神の子イエス・キリストの福音―マルコ福音書私訳と講解」の第一部と第二部を一冊にまとめたものです。発表の年度と号数は以下の通りです。
第一部 (段落1〜30) 「天旅」一九八六年1号〜一九八九年2号
第二部 (段落31〜59) 「天旅」一九八九年3号〜一九九一年2号
市川は、若い時から伝道活動を共にした信仰の同志、久野晋良氏(大阪経済大学教授、ギリシア哲学専攻、宗教学担当)および私市元宏氏(甲南女子大学教授、英語英文学専攻、英米宗教史担当)の両氏と「新約聖書原典研究会」を結成し、新約聖書のギリシア語原典をテキストにして,福音の理解について討論し、ときには激論してまいりました。その研究会で、一九七九年から一九八六年にいたる七年間にわたって、「マルコ福音書」を取り上げ、討論を重ねましたが、その中で両氏から教えられ啓発されるところ多大でした。その研究会の成果を基にしてでき上がったのが本書です。もちろん、本書は市川の個人的な信仰告白の書でありますから、内容上の責任はすべて市川にあります。しかし、両氏から受けた励ましと指導は大きく、ここに深甚の謝意を表します。
二〇〇二年 六月
市 川 喜 一