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編集室からの便り

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この一年                           2023年12月10日

 昨年(2022年)12月のこの欄に書きましたように、わたし市川はキリスト福音会とその京都集会の代表を辞任し、さらに自由な立場で著作の原稿などを書かせていただきたいと願ってきました。しかしそういうい願いで始まったこの一年(2023年)は、わたしにとって辛い一年となりました。この年の最初の月、1月には長年独立伝道の苦労を共にしてきた妻仁子が召されて死去、続いて3月から5月末までのほぼ3ヶ月にわたるわたし自身の十二指腸潰瘍による入院生活と苦しい時期が続き、退院後の6月から今日までの後半も、自宅での一人での静養と読書だけの日夜が続いてきました。幸い、京都での福音の証言活動と集会は松田兄姉夫妻を中心に進められていることを知り、安堵し主の御導きと感謝しています。

 わたしはこれまで、わたしの福音理解がキリスト教の長い歴史の中で語られてきた諸家の表現とどのように異なっているのか、また同じような方向にあるのかに関心を持ってきましたが、今年の秋になって「キリスト教神秘主義著作集」という全17巻の全集本が刊行されているのを知り、早速購入して机上に置き読み始めています。この著作集は未刊行の巻もありますが、これはキリスト教における神秘思想の概略を知るにはまことにありがたいものだと思います。

 この著作集によって、わたしの福音理解がキリスト教の歴史において「神秘思想」とか「神秘主義」と呼ばれるものに近いものであることが解りましたが、やはり違う点もあります。これからの日々、まだ考え執筆する時間が与えられるならば、この著作集の諸書をしっかり読んで、キリストの福音の本質に迫り、来年はその成果を「天旅ホームページ」に発表していければと願っています。

                               市川喜一



妻を見送る                          2023年1月29日

 1月1日の「新年の挨拶」に述べましたように、新しい年における福音の進展への願いに始まった1月は、わたしにとって悲しい出来事で終わることになりました。1月23日の夜、妻の仁子が突然廊下に倒れ、そのまま息絶えました。119番電話で駆けつけた救急隊による 必死の心臓マッサージ、搬送された塩小路武田病院での治療努力も甲斐なく、22時8分に仁子は死去しました。自宅での急死のため、一夜警察での検案に止め措かれた仁子の遺体は自宅に戻ることなく、そのまま葬儀社に引き取られ、わたしたち遺族は25日の午後、葬儀場の公益社中央ブライトホール葬儀所での湯灌に立ち会うことになりました。その日の夜、近親者12人ほどが前夜式の食事会で仁子の最後を語り合いました。

 翌26日の午後1時から、公益社6階の会場で「市川仁子告別式」が、長男市川信也の司会で執り行われ、私市元宏(コイノニア会代表)と市川喜一(キリスト福音会代表)の告別の辞と祈りの後、参会者一同の献花で終りました。東京から駆けつけた次男義也、大津在住の長女朝子も参列、仁子の三人の子供たちとその家族が揃いました。式後、車を連ねてごく近くの花山の市営斎場へ向かい、そこで遺体は火葬されます。自宅に戻った仁子の遺骨は、寝室の壁側に安置され、そこで数日を過ごすことになります。わたしはその遺骨箱と遺影(美しく撮れた少し以前の肖像写真)を見ながら、涙と共に夜を過ごすことになります(告別式における市川の「告別の辞」は「詩友のページ」に掲載しています)。

                               市川喜一



2023年 新年の挨拶                      2023年1月1日

 昨年12月18日に「代表辞任の挨拶」に書きましたように、私は2022年末をもって京都福音集会の代表としての立場を辞任し、本年最初の集会となる1月8日の集会で新しい代表を選んでいただくことになっています。京都福音集会は、その選ばれた新しい代表のもとで、キリスト者とその集会の使命である福音の証言とその告知の働きをますます力強く進めて行くことになると信じています。

 京都福音集会の代表を辞しても、キリストの福音を日本社会に証言し告知する私の働きを中止するわけではありません。その使命は私の生涯の使命です。昨年末に改装して新しい姿で出発する「天旅ホームページ」で、その働きを進め、その生涯の使命を全うすることができるように祈っています。

 代表辞任に伴い、その集会での福音講話の役目も辞することになります。その集会の進め方は、新しく形成される集会の姿によって自ずから決まって行くことと思いますが、集会の新しい歩みに主の御導きが力強くあるように切に祈ります。その際、市川が残しましたこの新しい「天旅ホームページ」、とくにその中の「福音講話」などがお役に立ちますことを願っています。

 振り返りますと25歳の時にこの国にキリストの福音を宣べ伝えるように主の召しを受けて、90歳を超える今日まで独立の伝道活動に従事してきましたが、その間お約束の通りに乏しいことはなく、この虚弱な身体も不思議に護られて健康を維持し、無事に勤めを果たすことができましたことは、ただ神への感謝と主キリストへの賛美があるのみです。

 新年にあたり、新しい体制で出発する「小さき群れ」と共に、父なる神の豊かな恵みと、主イエス・キリストの人の思いを超える御導き、主の御名によって集う集会の中における聖霊の豊かな御働きを、切に祈りあげます。

                               市川喜一
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