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第二一章 十字架刑の判決と執行

       ― ルカ福音書 二三章(一三〜四九節) ―

はじめに

 三部で構成されているルカ福音書の第三部「エルサレムでの受難と復活」は、これまでに見てきたように、次の三つの区分に分けることができます。

1 神殿での活動と論争(一九・二八〜二一・三八)
2 受難物語(二二・一〜二三・四九)
3 復活告知(二三・五〇〜二四・五三)

 第二区分の「受難物語」は、最後の晩餐、逮捕と裁判、十字架上の死という三つの山場に分けて講解を進めています。前章で「逮捕と裁判」を扱いました。そのさい、ピラトの裁判は段落139の「死刑の判決を受ける」(二三・一三〜二五)まで続いていますが、章のバランス上、その前で切りましたので、本章ではその後を承けて、その段落から始め、ピラトの判決とそれに続く十字架刑の執行と合わせて、「十字架刑の判決と執行」という見出しでまとめることにします。