市川喜一著作集 > 第5巻 神の信に生きる > あとがき

あとがき

 「まえがき」に書きましたように、本書は各地で著者が行った福音講話を集めたものです。その中でも、毎年夏にしています夏期特別集会での連続三回または二回の講話の要約筆記が中心になります。今までの福音講話は三冊にまとめる予定ですが、本書はその二冊目になります。三冊目は来年四月に出版予定です。一応本書は福音書を主題とした講話、三冊目は使徒書簡を主題とした講話ということにしていますが、この選択の基準は厳密ではありません。
 本書の校正の段階で、本文中に数回言及されている「救済史の構造」という講話がこれまでの著作にも本書にも含まれていないので、読者は戸惑うのではないかというご指摘があり、来年出版予定の福音講話集に入れることにしていたこの講話を、急遽本書に収めることにしました。この第W部補講二「救済史の構造」に収められている三つの講話は、一九八五年の夏の特別集会でした三回の福音講話を要約筆記したもので、「天旅」誌には未発表のものです。要約筆記をプリントにして参会者に渡していたのですが、そのプリントが長らく行方不明になっていました。この度の著作集出版のために古い資料を整理していたところ、思いがけず見つけることができましたので、印刷物の内容を急いでコンピュータに入力して、本書に入れることができました。この講話は五五歳にして到達したわたしの聖書理解の骨組みをまとめていることになり、翌年の一九八六年から発行した個人福音誌「天旅」の各論稿の土台になっています。
 原稿執筆だけでなく、コンピュータによる編集などもすべて一人でする素人出版ですから、専門家の造った書物のようにすっきりとは出来上りません。不体裁や校正ミスなどが残り心苦しいのですが、幸い長年の信友である木内正一兄のご協力をいただくようになり、これからは改善できると思います。木内兄は、この著作集出版にあたって、古い資料の整理から、書物の体裁、書名の選定、校正などに貴重な助言と多大の労を提供してくださっています。ここに記して感謝の意を表します。

二〇〇三年 二月
                    市 川 喜 一



  「市川喜一著作集」 第一期

1「聖書百話」(2002)      
2「キリスト信仰の諸相」(2002)
3「マルコ福音書講解T」(2002) 
4「マルコ福音書講解U」(2002)
5「神の信に生きる」 (2003)
6「マタイによる御国の福音―山上の説教講解」(2003)
7「マタイによるメシア・イエスの物語」(2003)
8「教会の外のキリスト」(2004)
9「パウロによるキリストの福音T」(2004)
10「パウロによるキリストの福音U」(2004)
11「パウロによるキリストの福音V」(2005)
12「パウロによる福音書―ローマ書講解 T」(2005)
13「パウロによる福音書―ローマ書講解 U」(2005)

  「市川喜一著作集」 第二期

14 「パウロ以後のキリストの福音」(2007)
15 「対話編・永遠の命―ヨハネ福音書講解T」(2006)
16 「対話編・永遠の命―ヨハネ福音書講解U」(2008)
17 「ルカ福音書講解T」(2009) 
18 「ルカ福音書講解U」(2011)
19 「ルカ福音書講解V」(2013)
20 「福音の史的展開T」(2010)
21 「福音の史的展開U」(2012)
22 「続・聖書百話」(2014)