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あとがき 

 わたしは一九八六年以来、隔月刊の個人キリスト福音誌「天旅」を発行してきましたが、この春で一〇〇号を数えるに至りました。一〇〇号を記念して、「天旅」の巻頭言として書いてきました折々の短い所感文を集め、一冊の小冊子として出版することにしました。
 わたしは若い時に内村鑑三の独立伝道に感銘を受け、既成の教会に依存しない独立伝道を志し、今日まで四十年あまりキリストの福音を語り伝える独立の働きを進めてまいりました。偉大な内村先生の働きとは比べものにならない、まことに微々たる働きですが、その中から個人福音誌「天旅」が生まれ、思いにまさって一〇〇号まで続けることが許されました。その間、がんの手術を受けたり、さまざまな困難があったことを思いますと、今日まで続けることができたのは、まったく主の憐れみと、祈りや献金で支えてくださった誌友の兄弟姉妹方の励ましの賜物と、心より感謝しています。
 福音誌「天旅」は、主筆市川が各地で語ってきた福音講話と、福音書とパウロ書簡を中心とする新約聖書の講解をおもな内容としています。これまで誌上に掲載したものはほとんど「市川喜一著作集」としてインターネット上に発表していますが、主が許してくださるならば、本書の出版を出発点として、著作の各巻を書籍の形でお手元に届けることができるように努力したいと考えています。
 読者お一人ひとりに聖書の言葉を通して主の慰めが豊かに注がれるように祈りつつ、筆を擱きます。

  二〇〇二年 四月
               京都の古い町並みの中から
                    市 川 喜 一